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認知症と間違われやすい病気

認知症と間違われやすい病気

認知症の予防

認知症と間違えやすい症状に、うつ病とせん妄があります。うつ病は、意欲が低下している状態で、せん妄は、意識レベルが低下している状態です。

うつ病もせん妄も、認知症とは治療法が異なるため、適切な処置を受けるためには、早い段階で、認知症との違いを把握しておく必要があります。まず、医師を受診して、正確な診断をしてもらった上で、適切な治療を受けることが肝要です。

認知症と間違われやすい病気1:うつ病

うつ病
認知症はうつ病の症状とよく似ており、特に若年性認知症では初期診断が見誤られることもあります。

うつ病と認知症では原因や治療法が異なります。ご自身やご家族に異変を感じたら、自己判断せずに、医師に相談するようにしてください。

うつ病と認知症の違い

うつ病 認知症
症状の進行速度 比較的短い期間に複数の症状が表れる。そのため、周囲が発病に気づきやすい。 徐々に進行するため、まわりの人が、発病になかなか気がつかない場合が多い
記憶障害の有無 有り

※あるとき突然、数日前のことを思い出せなくなり、それによって本人の不安が高まっていく傾向がある。
有り

※最初は軽度の記憶障害から始まり、少しずつ重くなっていく。自身の記憶障害に不安や焦燥感を覚えることはない。
自責の念の有無 有り

※「自分が病気や記憶障害を患っているために、家族や周りの人に迷惑をかけている」という自責の念が強くなり、物事に対して悲観的になったり自分を卑下するようになる。最悪の場合、自殺願望が出てくることもある。
無し

※問題行動が目立つようになっても、自責の念のようなものは見受けられずケロリとしている。
本人の自覚の有無 有り

※自分の認知機能の低下を自覚しており、自分の症状が悪化していないかどうか気にするようになる。注意力が散漫になる、抑うつ感が強くなる、食欲減退や不眠に悩まされるなど様々な症状があらわれ、本人も不安を感じる。
有り → 無しに変化

※症状が軽度のときは、自身の認知機能の低下に対して不安を感じることがあるが、症状が進行するにつれて、無関心になる傾向がある。
質問に対する受け答えの仕方 質問すると、一生懸命考える様子を見せるが、結果としては答えられないという傾向がある。 質問に対して的外れな回答をする場合が多い。そのことを指摘されると、取り繕ったりする。

このように、うつ病と認知症では明らかに違いがあるため、治療法も異なるわけですが、
意欲の低下が続く状態を自身で自覚している場合、以下のような対処法もお勧めです。

https://www.medipharm-english.com/mpl/f_video/

認知症と間違われやすい病気2:せん妄

せん妄
せん妄も認知症と間違われやすい病気のひとつです。意識精神障害の一種で、高齢者に多く発症する症状です。

せん妄では、睡眠障害、幻覚・妄想、見当識障害などが見られます。せん妄と認知症には以下のような違いがあります。

せん妄と認知症の違い

せん妄 認知症
発症時期 ある程度特定できる 特定できない
発症期間 一過性で、数時間から数週間程度 持続性
症状 幻覚・幻聴・妄想の他、意味不明なことを口走ったり、突然暴れだすなど攻撃的になる。1日のうちで症状の変動が見られる。 記憶障害、時間や方向感覚が失われる見当識障害などが見られる。

加齢による物忘れと軽度認知障害(MCI)との違い

加齢による物忘れと軽度認知障害
一般的に、年齢を重ねると共に物忘れが増えてきます。

加齢に伴う生理的な物忘れであれば特に心配はありませんが、「体験そのものを忘れてしまう物忘れ」が続くという場合は、軽度認知症も疑われます。

≫加齢による物忘れと軽度認知障害(MCI)の違いはこちら

毎日の生活の中で、「なんとなくおかしい」、という違和感や不安あったら、早めに「物忘れ外来」などを受診して、これからの対応策について相談しましょう。

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