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あなたは正しい!

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いま、
“The Iron Lady”(邦題:マーガレット・サッチャー、鉄の女の涙)
に凝っている。

この映画の中で、英国史上初の女性首相マーガレット・サッチャーは、
困難と壁にぶち当たりながらも、祖国である英国を良くしたい、
という揺るぎない固い信念のもと、議会におけるさまざまな場面で、
真っ向から、毅然とした態度で論戦に臨んでいます。

サッチャー政権の施政方針は、5つありました。
しかし、その方針に沿って実行された政策は暗礁に乗り上げてしまいます。
首相になってから2年ほど後の、最悪レベルの失業率、
工業生産高の壊滅的低下。
マーガレットを猛烈に責め立てる労働党議員たちや国民からの相次ぐ批判、
味方であるはずの保守党内の部下たちからの激しい反発や批判。

しかし、方針は、考え抜かれたものであり、結果が出るまでは、
その方針を曲げるつもりはない、何としても貫き通すのだ、と
マーガレットは主張し、改革を推し進めます。
英国民に笑顔と誇りを取り戻させたい、という、心底、固い信念に基づいて。

「これまでの政治家たちの失敗の1番の原因は、世論や風潮に負けて途中で
挫折・妥協して、自分の方針を貫き通さなかったことにある。」
(劇中のマーガレットのセリフ)

このセリフは、心に響きましたね。

23名ほどの従業員を抱えて、人間関係を含む会社経営に四苦八苦していた、
かつての自分自身が浮かび上がってきたからです。

各人が自身の正当性を主張し、利益を得ようとする小競り合いの中で
発生するトラブルを、私はどのように解決してきたのか。

相手に妥協することによって、何とか、解決を得ていた日々だった、
と言えます。

しかし、それは適切な解決策であったのだろうか?

人間は100人いたら、100人全員が、自分の考え、言い分は
正しいと信じています。

ですから、人間が2人以上集まったら、心理的な軋轢や揉め事が起こるのは
当然のことなのです。

いきり立って、何とか自分の言い分を通そうとじりじりしている
相手に対して、対話のテクニックとして、まず、自分の方から、
「あなたは正しい」と言ってあげるのは、興奮している相手を
いったん、鎮めることに効果を発揮します。

というのは、相手は確かに正しいのです。
その人の立場や利害から問題を照らしてみるならば、です。

しかし、一方、こちらにも言い分がある。
こちらの立場や利害の角度から問題を分析してみれば、
相手に理がある、とは思えない。

それにもかかわらず、徹底的な議論をおっくうに感じる怠惰な
気持ちから、相手の言い分を全面的に呑んだ場合、つまり、
相手に妥協した場合、
表面的に、その場は収束しても、やはり、割り切れなさとか
相手への不満や恨みは、自身の心の中に残ります。

「妥協」は、臆病にも通じる人間の心の弱さです。
私も、臆病だったなあ、弱かったなあ、と
“The Iron Lady”を視聴して、つくづく、感じ入った次第。

寛大を装って、相手の要求を唯々諾々と飲み込むしか、
解決策を見いだせなかった、かつての自身の怠惰と弱さが
痛烈に反省されましたね。

現代は、論戦によって、各人の立場が守られる、あるいは侵害される
世の中です。

拳銃で撃ち合いをしたり、殴り合ったり、物を投げたりして、
自分の正当性を相手に主張するわけではありません。

とすれば、論戦(debate)の技術は、現代人にとって
必ず身に着けなければいけないノーハウのひとつ
ということになるのではないでしょうか。

”The Iron Lady”を視ていて、論争の要として参考になるのは、
決して、感情的にならない、激高しない、
という点です。

相手の攻撃に、どんなに心が波立っても、
冷静さを失わず、最後まで相手の言い分を聴く。

つまり、あなたは正しい、という無言のサインです。

ジリジリといきり立った相手は、それで、いったん、
激高を鎮めます。

そして、いきり立った相手の機先を制してから、
正確なデータや証拠に裏付けられた反論に転じていく。

ディベートは、まさしくノーハウであり、技術です。

常に学習し、論争現場で体験を積むことによって、
自らの技術として、体得していくものなのでしょう。

”The Iron Lady”は、かなり良質なディベートの教科書です。

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ところで、質の高いディベートを繰り広げるには何といっても
良好な体調を維持する必要があります。

オフィスや自宅で、パソコン作業による肩こりや腰痛、目の疲れ、
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