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筋肉から分泌される若返りホルモン

筋肉から分泌される若返りホルモン

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筋肉は、体を支え、動かしますが、それのみならず、ホルモンなどの物質を分泌することは周知の事実です。

その中でも、「マイオカイン(myokine」という一種の若返りホルモンが、最近、話題になっています。

マイオカインの語源は、ギリシャ語のmyo(筋)とkine(作動物質)から成っています。

筋肉が動くときに分泌する物質つまりマイオカインが、血液から全身に到達して、さまざまな働きをすることがわかってきています。

運動刺激に伴って筋肉から分泌されるマイオカインは30種類以上あり、かつ、それらが働きかける臓器は、脳・血管・神経・肝臓・脂肪・大腸とほぼ全身に及びます。

特に、体重の40%を占める骨格筋は、最大の内分泌器官ということになります。

マイオカインの脳に及ぼす効用

現在、効用が判明しているマイオカインのうち、脳に影響を及ぼすものとしては、「アイリシン」「IGF-1」「アディポネクチン」などがあります。

ひとつひとつ具体的に見ていきましょう。

1.アイリシン:
動物実験の段階での知見ではあるものの、筋肉から分泌されたアイリシンが脳に入ると、認知機能を改善するBDNF(脳由来栄養因子)の発現を促すとのこと。

2.IGF-1:
このホルモンは、本来、筋肉や骨の成長促進に欠かせない物質として知られていましたが、加えて、神経細胞を作り、シナプスを結合させ、血管新生をも促すことが明らかになっています。
神経の活動を高め、アルツハイマー病の原因物質のひとつであるベータアミロイドを減少する効果も確認されているとか。

3.アディポネクチン:
これも動物実験レベルの知見ではあるものの、マウスの輪回し運動によって、アディポネクチンが脳内に入り込み、海馬の神経の新生を促すという報告がなされている由。
うつ病や認知症になると脳神経が新生されず、海馬が委縮してしまうのですが、運動によって、海馬に新たな神経が増える可能性が出てきました。

このように、マイオカインは認知症予防の働きをしていることが判明していますが、それ以外にも、大腸がんや乳がんなどのがん予防・肥満防止などの効果が続々と報告されています。

マイオカインの増やし方

そのマイオカインを、自分の体内に意識して増やす方法としては、まず運動です。
当サイトで推奨している「マイオ―ダンス」は、ピッタリのマイオカインの増やしかたになるでしょう。

次いで、食事ということになりますが、筋肉を創る材料として、タンパク質を摂ることが肝要です。

特に、BCAAは重要です。
BCAAとは、Branched Chain Aminoの略称で、分岐鎖アミノ酸と呼称されています。
必須アミノ酸に含まれるバリン・ロイシン・イソロイシンがこれに当たり、私たちの筋肉を構成するタンパク質(筋タンパク質)に含まれる必須アミノ酸の約35%を占めるなど、筋肉のエネルギー代謝に深く関わっています。

つまり、バリン・ロイシン・イソロイシンなどの栄養素を含む食材を摂取すればOKということになりますが、
具体的には、まぐろの赤身・チーズ・かつお・レバー・カシューナッツ・鮭・鶏むね肉などに、それらの栄養素は多く含まれています。

BCAAは、運動30分前と運動後の摂取がお勧めです。

マイオカインは自分で作れる

運動とBCAAを含む食材を食べることによって、マイオカインは自分で作ることができます。

健康寿命を伸ばすカギのひとつとして、マイオカインの重要性を再認識したいものです。