共通の敵

人間関係

人間関係に悩む人は多い。

私も御多分にもれず、複雑な人間関係に悩み続けてきました。

私は、以前、20人以上の従業員を抱えての会社経営を行っていたことが あります。

その際に、会社の業績に係る問題以上に頭を悩ませたのは 従業員対経営者、従業員対従業員の人間関係の軋轢でした。

各人のエゴとエゴをなんとか中和させて その場、その場を抑えて、日々をやり過ごしていたのですが、 その際に、オヤッと思うような現象に出会ったことがあります。

それは、従業員対経営者あるいは従業員対従業員であっても、 双方が共通の敵を見出すと、そこに連帯感が生まれ、 関係が良好なものに変化していく、ということです。

例えば、経営者に対していろいろな不満を持っている従業員をA子と しましょう。

A子は、同僚のB子となにかにつけて衝突し、犬猿の仲。

ところが、A子はふとしたきっかけで、B子が経営者に対して、 やはり、さまざまな不満を持っていることに気づきます。

それで、二人で、経営者の悪口や、ああしてくれない、こうしてくれない、 という愚痴をこぼし合っているうちに、だんだんと共感や同情が生まれて、 仲が良くなってきた。

そのうち、経営者を共通の敵とする戦友という感じになり、 すっかり、仲良しになってしまったのです。

このテクニックは、人間関係修復に使えるのではないか、 と思われます。

ちょっとスケールが大きな例になるかもしれませんが、 第二次大戦中、日本とアメリカは敵同士として戦いました。

そのとき、「鬼畜米兵」というスローガンが標榜され、 米国人を憎っくき敵と見做すことによって、 日本人全体の士気が高揚したことは否定できない事実です。

反りが合わない同僚、嫌いな上役、 イライラさせられる夫あるいは妻、子供、舅/姑。

いずれも、毎日の生活の質が低下する要素です。

簡単には別れることができない関係だからこそ、 お互いの間に、共通の「敵」を作ってみる、 という人間関係のテクニックを応用してみるのも一案かと 思われますが、いかがでしょう。

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